architect:Takeshi Kobayashi  photographer:Shunsuke Maruyama


 群馬県高崎市の住宅。計画地は関越自動車道脇に位置しているが緑地帯による緩衝空間により騒音等のネガティブな要因は、それほど感じさせない。それよりも緑地帯の桜が今後、借景となり季節を感じさせてくれる事が想定出来る敷地である。その様な敷地にIターンで群馬に移住する親子3代、2世帯、6人の為の『暮らす』を考えた。
 車は6台、家庭菜園もしたいね、と言うクライアント。
たしかに都心から移住してきたので敷地は広く感じる。しかし、要望を全て考慮すると建物を建てるスペースが無くなる恐れがでてきた、いくつかのプランと模型を作成しクライアントと話をしていると総2階のプランが良いと思えてきた。週末は友達を呼んでパーティーをする事も多く、まだ小さな子供達が走り遊べる回遊動線も各フロアーに計画している。そして、外観はアイコンにもなりうる家型。多くの人が家を書いてくださいと言えば、切り妻の形を書くのではなかろうか?それほど、この形状は普遍である。シンプルであるが家を想像させ安心する形としてはこの上ない形状、しかもローコストの条件にもピッタリする。

総2階にする事により世帯別の各ゾーンがより接し合い、結びつきも強くなった。しかし、結びつきが強くなると、2世帯住宅の宿命が頭をよぎる。血縁である者同士は許容出来ても、やはり個の間合いは確立させたい。そこで吹き抜けによる相手の気配は残すが、プライベートな場所としても機能するように2階リビングを配置して少し距離感を持たせている。つかず離れずは、いつも難しい。家族の形に決まりはない。建築家が考える使い方を永続的にしてくれるとも限らない。敷地にたっぷり空地を残し、適度なラフ空間に仕立てる事により、あらゆるシーンに対応可能な住まいを考えた建築である。
 最後に、家によって住まい手が不幸になる事は許されない。それをいつも考えている。建築家の自己中心的な考えを押し付ける事は私のスタイルでは無い。主役はあくまで住まい手であり、これからもその考え方を変える事は無い。
 孫の笑顔が笑い声がこの家族を強く結び付け、そして今も楽しく家を育ててくれている。

専用住宅
W造・F2
延床:117.01u
群馬県高崎市

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